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    【2025年最新版】自己都合でも失業保険はもらえる!受給条件・金額・最短受給テクニック解説

    失業保険は自己都合でも貰える?

    「自己都合で退職したら、失業手当はいつからいくらもらえるの…?」

    こんな悩みや不安をお持ちではありませんか?

    この記事では、最新の制度改正内容から受給要件の詳細、申請手続きから初回支給までの具体的な流れまで、自己都合退職後の失業保険について知っておくべき情報を解説します。

    受給中の副業制限ルールや再就職手当などの関連制度、退職後に必要な健康保険・年金の切り替え手続きについても紹介し、転職活動期間中の生活設計に役立つ知識をお届けします。

    この記事で分かること
    目次

    自己都合退職で受け取れる失業保険とは?制度の仕組みと基本知識

    自己都合退職であっても、雇用保険に一定期間加入していれば基本手当を受け取ることができます。

    失業保険制度の目的と仕組みを正しく理解しておけば、いざというときの申請手続きで迷うことなく、スムーズに手続きを進められるでしょう。

    まずは失業保険が担っている社会的な役割と、早期就職を促進する再就職手当との違いを明確に把握することから始めましょう。

    失業保険(失業手当)の目的と社会での役割

    失業保険が果たす主な役割
    • 求職期間の生活費を下支えし、早期離職の連鎖を防ぐ。
    • 職業紹介や訓練と組み合わせ、再就職までの橋渡しをする。
    • 景気悪化時の需要の落ち込みを和らげ、地域経済を支える。

    失業保険は、働く意思と能力を持ち、積極的に求職活動を行っている人の生活を支える重要な社会保障制度です。

    離職による収入の空白期間を最小限に抑えることで、生活不安から焦って条件の悪い職場に就職してしまうリスクを軽減する効果があります。

    同時にハローワークでの職業相談や求人紹介、職業訓練への参加促進を通じて、求職者により良い条件での再就職を支援しています。

    ただし支給を受けるためには定期的な求職申込みや失業認定などの条件を満たす必要があり、単に休養するための給付制度ではありません。

    社会全体で見ると、失業者の消費活動を維持することで景気の悪化を緩和し、労働力の需要と供給のミスマッチ解消にも貢献する仕組みです。

    こうした多面的な機能により、離職から再就職までの橋渡し役として機能し、働く人々の再挑戦を支える基盤となっています。

    失業手当と再就職手当のちがいを整理

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    項目失業手当(基本手当)再就職手当
    趣旨求職中の生活補填早期の安定就職を後押し
    受け取る場面認定を受けて求職中に支給就職し一定条件を満たすと一時金
    支給タイミング4週ごとの認定日に日数分支給就職後、継続見込み確認のうえ支給
    金額の考え方賃金日額×給付日数に基づく残日数に応じた一定割合を一括
    併給可否再就職手当と同時受給不可受給で残日数は消滅
    手続窓口ハローワークハローワーク

    この2つの制度は根本的に目的が異なり、どちらを選択するかによって総受給額や資金の受け取り方が大きく変わってきます。

    じっくりと求職活動を続けて理想の職場を見つけたい場合は基本手当、早期に安定した就職先が決まりそうな場合は再就職手当が有力な選択肢です。

    再就職手当は基本手当の残日数が多いほど支給額が高くなる仕組みのため、就職を決断するタイミングが経済的な観点からも重要になります。

    2つの手当を同時に受給することはできないため、就職が内定した段階でハローワークの窓口に相談し、どちらが有利か確認することをお勧めします。

    どちらを選ぶべきか迷った場合は、内定先の想定年収や基本手当の残日数をもとに具体的な金額を試算し、家計の状況に応じて判断するのが良いでしょう。

    なお、再就職手当には1年以上の雇用継続が見込まれることなどの支給要件があるため、制度の詳細をしっかりと理解してから選択することが大切です。

    自己都合でも失業保険は受給可能!2025年改正で大きく変わった点

    自己都合退職であっても、雇用保険の加入期間などの要件を満たしていれば基本手当を受給することができます。

    2025年4月1日以降に退職した人については給付制限期間が原則1か月に短縮され、、従来よりも早期に初回支給を受けられるようになりました。

    この章では制度改正による重要な変更点と、失業保険の申請において絶対に押さえておくべき必須条件について、実務的な観点から詳しく解説していきます。

    給付制限が「最短1ヶ月」に短縮された最新ルール

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    項目離職日・条件給付制限の目安
    原則2025年4月1日以降の自己都合1か月
    改正前2025年3月31日以前の自己都合2か月
    反復離職過去5年で自己都合の受給決定が2回以上3か月
    懲戒解雇重大な理由による解雇3か月
    訓練特例離職前1年内に開始
    または離職後に教育訓練等を受講
    解除(0か月)

    自己都合退職における給付制限とは、待機期間の7日間が終了した後に設けられる支給停止期間のことです。

    2025年4月以降に離職した場合は原則として1か月間の給付制限となり、これまでより1か月早く初回の支給を受けることができます。

    ただし過去5年間に自己都合による失業保険を2回以上受給している人や懲戒解雇された人については、従来通り3か月間の給付制限が適用されます。

    新たに導入された訓練特例では、教育訓練給付の対象講座や公共職業訓練などを受講することで給付制限が完全に解除されることになりました。

    対象となる訓練は厚生労働大臣が指定する教育訓練給付制度の対象講座や、各都道府県が実施する公共職業訓練などに限定されています。

    訓練を途中で退校した場合は特例の対象外となってしまうため、受講修了証明書を確実に取得できるよう計画的に進める必要があります。

    なお、離職日が2025年3月31日以前の場合は改正前のルールが適用され、原則として2か月間の給付制限となることに注意が必要です。

    退職日が令和7年4月1日以降である場合は原則1か月、同年3月31日以前である場合は原則2か月です。

    出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00045.html)

    ハローワーク申請と求職活動は必須条件

    受給開始までの必須ステップと実務フロー
    • 管轄ハローワークで求職申込み後、離職票を提出して受給資格決定。
    • 初回説明会を受講し、受給資格者証と失業認定申告書を受領。
    • 原則4週間ごとの失業認定で、求職活動実績を申告。
    • 求職者マイページは補助的に活用し、受給手続は来所が原則。

    住居を管轄するハローワークに行き、『求職の申込み』を行ったのち、『雇用保険被保険者離職票(-1、2)』を提出します。

    出典:ハローワークインターネットサービス(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html)

    基本手当の受給対象となるのは、働く意思と能力を持ちながら積極的に就職活動を行っている人に限定されています。

    受給への第一歩は管轄ハローワークでの求職申込みと離職票の提出で、この手続きによって受給資格の有無が正式に決定されます。

    待機期間の7日間が経過した後は、原則として4週間ごとに実施される失業認定において支給対象となる日数が確定される仕組みです。

    失業認定では就労の有無と具体的な求職活動実績について詳細な確認が行われ、記録に不備があると支給が遅れてしまう可能性があります。

    求職活動の記録は失業認定申告書に整理して記入する必要があり、企業への応募や職業相談の実施日時と内容まで具体的に記載することが重要です。

    求職者マイページなどのオンラインサービスは補助的なツールとして便利ですが、受給資格決定などの重要な手続きは実際にハローワークに来所することが原則となっています。

    初回の手続きではハローワークの窓口時間に十分な余裕を持って訪問し、その場で初回説明会の日時についても確認しておくことをお勧めします。

    来所時間と混雑回避の注意点
    • 窓口は概ね8時30分〜17時15分。16時前の来所が推奨です。

    自己都合退職で失業保険をもらえる人ともらえない人の違い

    失業保険を受給できるかどうかの分かれ目は、雇用保険の被保険者期間と求職要件、そして離職理由の3つの要素によって決まります。

    自己都合退職であっても必要な条件をすべて満たしていれば受給は可能で、やむを得ない理由による退職の場合は要件が緩和されることがあります。

    まずは雇用保険の加入期間の目安と求職活動に関する必須条件を確認し、自分のケースが例外的な扱いを受ける可能性についても把握しておきましょう。

    雇用保険の加入期間12ヶ月以上がひとつの目安

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    区分必要な被保険者期間月のカウント基準
    自己都合離職前2年に通算12か月以上賃金支払基礎日数11日以上 等
    特定受給・特定理由離職前1年に通算6か月以上11日以上または80時間以上

    自己都合による退職で失業保険を受給するためには、離職前2年間に通算で12か月以上の被保険者期間が必要です。

    倒産や解雇による離職者、または特定理由離職者に該当する場合は、離職前1年間に通算6か月以上の被保険者期間が受給要件です。

    1か月の算定基準は、賃金支払基礎日数が11日以上あるか、または労働時間が80時間以上の月となっています。

    シフト制勤務や短時間労働であっても、上記の基準を満たしている月については1か月分として通算期間にカウントされます。

    雇用保険に未加入だった期間は被保険者期間として算定されないため、給与明細や雇用契約書で加入状況を事前に確認しておくことが大切です。

    離職証明書に記載されている被保険者期間の計算に疑問がある場合は、早めに会社に訂正を依頼して計算誤りを防ぐようにしましょう。

    離職日から1か月ごとに区切った期間に、基礎日数11日以上又は労働時間80時間以上の月を1か月として計算します。

    出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000642296.pdf)

    就職意思と求職活動状況が支給対象かどうかの分かれ道

    支給対象となる三つの原則
    • 就職の意思と、直ちに働ける能力・環境がある。
    • 各認定期間に、求職活動実績が原則2回以上ある。
    • 失業の状態で、就労日や収入は正確に申告する。

    基本手当は単なる休養のための給付制度ではなく、働く意思と能力を持った求職者の生活を下支えすることを目的です。

    待機期間が終了した後は原則として4週間ごとに失業認定が実施され、求職活動実績の有無によって支給対象となる日数が最終的に確定されます。

    求職活動実績は企業への求人応募や職業相談、就職に関するセミナー受講などによって積み上げていき、認定期間の早い段階から確保しておく必要があります。

    給付制限期間中であっても求職活動実績は必要となるため、認定期間の前半から計画的に活動を開始することが受給への重要なポイントです。

    活動の記録は実施日時・内容・相談窓口名まで詳細に残しておき、失業認定申告書へ漏れなく転記して提出する必要があります。

    虚偽申告や申告漏れは不正受給の原因となってしまうため、記載内容に疑問がある場合は事前にハローワークの窓口で確認を取ってください。

    認定対象期間に求職活動実績が原則2回以上あることを確認できた場合に失業の認定を行う。

    出典:厚生労働省「失業認定について」(https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001005016.pdf)

    「自己都合退職」に該当する実際のケースと例外

    疾病・負傷や配偶者の転勤等で就業継続が困難となった者は特定理由離職者に該当します。

    出典:ハローワークインターネットサービス(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_range.html)
    自己都合に当たりやすい例
    • 自己都合例:転職希望・職場不適合・待遇不満など(給付制限あり)。
    • 例外例:病気・けが、家族の介護、配偶者転勤で通勤困難(診断書・介護認定・転居資料)。
    • 有期契約の雇止めで更新希望があった場合は、特定理由離職者に該当し得る。

    キャリアアップのための転職や職場環境への不適応など、労働者自身の判断による退職は原則として自己都合退職に該当します。

    一方で病気やけがによる療養の必要性、家族の介護、配偶者の転勤に伴う通勤困難などのやむを得ない事情による退職は例外的な扱いを受けることがあります。

    特定理由離職者として認定を受けるためには客観的な証拠資料が重要で、医師の診断書や介護認定書、転居に関する証明書類などの準備が必要です。

    有期雇用契約の雇止めについては、労働者が契約更新を希望していた事実が確認できれば特定理由離職者として認定される可能性があります。

    賃金の未払いや著しい長時間労働などの労働条件に関する問題が確認された場合は、別の区分で手厚い保護を受けられる場合もあります。

    最終的な判断はハローワークでの審査によって決定されるため、離職票に記載された離職理由の確認と必要な資料の準備を早めに進めておくことが大切です。

    注意点と補足(判断を有利に進めるための準備)
    • 離職票の離職理由は訂正申立てが可能。疑義は早期に相談。
    • 口頭説明より証拠資料が重視。診断書や通知書の写しを保管。

    自己都合の失業保険を申請してから受給までの流れ

    自己都合による失業保険の申請手続きは、会社から送付される離職票の到着確認から始まり、その後は求職申込み、受給資格決定、初回説明会の受講、失業認定という順序で手続きが進んでいきます。

    この章では申請に必要な書類の詳細と窓口での手続きの流れ、各段階で押さえておくべき重要なポイントを体系的に整理して解説します。

    退職後〜申請の手続きと必要書類(離職票など)の準備

    退職直後から初回認定までの実務フローと必携書類
    • 離職票の到着確認→住所地のハローワークで求職申込み。
    • 離職票1・2、個人番号・本人確認、通帳・写真を持参。
    • 受給資格決定→初回説明会→初回認定日の通知。

    住居を管轄するハローワークに行き、『求職の申込み』を行ったのち、『雇用保険被保険者離職票(-1、2)』を提出します。

    出典:ハローワークインターネットサービス(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html)

    退職後の最初のステップとして、前職の会社に離職票の作成状況と発送予定日について確認の連絡を入れましょう。

    離職票が手元に届いたら、住所地を管轄するハローワークで求職申込みの手続きを行い、求職申込書の受付票を受け取ります。

    続いて雇用保険被保険者離職票の1と2、マイナンバーカードなどの個人番号確認書類、本人確認書類を窓口に提出するのが基本的な流れです。

    同時に失業保険の振込先となる口座の通帳またはキャッシュカードと、受給資格者証用の証明写真2枚を持参する必要があります。

    これらの書類提出により受給資格の決定を受けた後、初回説明会で受給資格者証と失業認定申告書が交付され、最初の認定日が正式に指定されます。

    求職者マイページの開設手続きも併せて行っておくと、求人への応募履歴や職業相談の予約記録を効率的に管理できて安心です。

    待機期間や給付制限で支給開始のタイミングが変わる

    スクロールできます
    項目条件の例支給開始の目安
    待機7日求職の申込み後の失業状態が連続7日待機満了後の認定対象日から
    給付制限1か月2025年4月1日以降の自己都合(正当な理由なし)制限満了後、直後の認定から
    給付制限2か月退職日が2025年3月31日以前の自己都合制限満了後、直後の認定から
    給付制限3か月過去5年に自己都合受給決定2回以上・重責解雇等制限満了後、直後の認定から
    制限の解除教育訓練等の受講(離職前1年内開始含む)待機後の認定から支給対象
    認定周期原則4週間ごとに失業認定認定後に口座へ振込

    退職日が令和7年4月1日以降である場合は原則1か月、同年3月31日以前である場合は原則2か月です。

    出典:厚生労働省 Q&A(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139508.html)

    失業保険の支給開始時期は、全ての受給者に共通する待機期間7日間と、離職理由に応じた給付制限の有無によって大きく左右されます。

    自己都合退職に適用される原則1か月の給付制限は、退職日が2025年4月1日以降の場合に新しく適用される制度です。

    退職日が2025年3月31日以前の場合は改正前のルールが適用され、原則として2か月間の給付制限期間が設定されることになります。

    過去5年間に自己都合による失業保険を反復して受給している人や重大な責任による解雇を受けた人については、3か月間の給付制限となり長期的な資金計画に大きな影響を与えます。

    新設された教育訓練制度の対象となる訓練を受講している場合は給付制限が完全に解除され、待機期間後の最初の認定日から支給対象となります。

    失業認定は原則として4週間ごとに実施され、申告内容に不備や虚偽があると支給が遅れてしまうため細心の注意が必要です。

    教育訓練制度を活用して早く受給する方法

    令和7年4月以降にリ・スキリングのために教育訓練等を受けた(受けている)場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できるようになりました。

    出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00045.html)

    給付制限解除の要件を満たすためには、教育訓練給付制度の対象講座や公共職業訓練などの指定された対象訓練を選択することが重要です。

    離職前1年以内に受講を開始していた訓練についても解除の対象となるため、既に受講中の場合は受講証明書を準備して申出を行うことができます。

    離職後に新たに訓練受講を開始する場合は、訓練の開講日とカリキュラムの詳細を事前に確認し、受講開始前にハローワークの窓口で相談しておきましょう。

    制度の申出を行う際には訓練実施施設が発行する「訓練開始日の証明書」などの書類が必要となるため、受講決定後は関連書類を確実に保管することが大切です。

    訓練の出席状況が不良であったり中途で退校してしまった場合は制度の対象外となってしまうため、修了まで継続できる計画と安定した生活リズムを整える必要があります。

    対象となる訓練は厚生労働省の検索システムで詳細を確認することができ、早期の受講決定が失業保険受給開始の大幅な前倒しに直結することになります。

    自己都合退職でもらえる失業保険の金額は?計算方法とシミュレーション

    自己都合退職でも失業保険の受給額は、離職前の賃金から計算される賃金日額と、勤続年数に応じた所定給付日数の2つの要素によって決定されます。

    具体的な計算方法は離職直前6か月間の賃金を基礎として導き出され、受給者の年齢ごとに設定された上限・下限額を考慮して最終的な支給額が確定する仕組みです。

    この章では失業保険の算出手順と受給総額の目安について、2025年度の最新改定値に基づいて具体的なシミュレーションを交えながら解説していきます。

    賃金日額の算出方法と実際の手取りとの差

    離職時年齢賃金日額の上限基本手当日額の上限
    29歳以下14,510円7,255円
    30〜44歳16,110円8,055円
    45〜59歳17,740円8,870円
    60〜64歳16,940円7,623円
    共通の下限賃金日額 3,014円基本手当日額 2,411円

    雇用保険(基本手当)の給付は全て非課税です。

    出典:厚生労働省 Q&A(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139508.html)

    賃金日額は離職直前6か月間の賃金を180日で割って算出され、計算結果の1円未満の端数については切り捨て処理が行われます。

    基本手当日額は算出された賃金日額に所定の給付率を掛けて計算し、受給者の年齢区分ごとに設定された上限額と下限額の範囲内で最終的に決定されます。

    在職時の実際の手取り給与とは計算の基準が異なり、失業保険では毎月決まって支払われた賃金(基本給や各種手当など)が算定の土台です。

    失業保険として支給される基本手当は所得税や住民税の課税対象外となっているため、受け取った金額がそのまま手取り収入の目安として考えることができます。

    賃金日額と基本手当日額の上限・下限額は毎年8月1日に見直しが行われるため、受給手続きの際には必ず最新の適用基準額を確認しましょう。

    具体的な計算式の詳細については厚生労働省が公開している資料で確認でき、年齢区分と給付率に応じた数式が明確に示されています。

    基本手当日額×給付日数で算出する受給総額例

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    例(年齢31歳想定)月収の目安賃金日額(w)基本手当日額(y)総額90日総額120日総額150日
    ケースA25万円8,333円5,707円513,630円684,840円856,050円
    ケースB30万円10,000円6,207円558,630円744,840円931,050円
    ケースC35万円11,667円6,494円584,460円779,280円974,100円
    ケースD50万円16,667円8,055円(上限)724,950円966,600円1,208,250円

    失業保険の受給総額は、算出された基本手当日額に雇用保険の被保険者期間に応じた所定給付日数を掛けて見積もるのが基本的な計算方法です。

    自己都合退職の場合の所定給付日数は被保険者期間の長さによって決まり、一般的には90日・120日・150日のいずれかが適用されます。

    上記の表に示した金額は概算であり、実際には年齢による上限の適用や端数の切り捨て処理、4週間ごとの失業認定による分割支給という運用が含まれています。

    実際の支給額は失業認定のたびに確定される仕組みで、認定期間中に就労があった場合や減額要因が発生した場合は支給対象日数が調整されることになります。

    受給額の見積もりに迷った場合は、受給資格者証に印字されている基本手当日額を基準として、家計の橋渡しに必要な金額を具体的に計算するのがお勧めです。

    教育訓練給付制度の活用や早期の再就職による再就職手当の選択によって受給総額は変わるため、次章で説明する各種制度についても併せて検討してみてください。

    年齢・勤続年数別で変わる受給額のケース比較

    比較の前提
    • 年齢は基本手当日額の上限に影響します。
    • 自己都合の給付日数は勤続年数で決まります。
    • いずれも最新の改定値と受給資格者証で確認します。
    年齢別の上限差前提基本手当日額(上限)150日支給の総額例
    29歳以下月収50万円想定7,255円1,088,250円
    30〜44歳同条件8,055円1,208,250円
    45〜59歳同条件8,870円1,330,500円
    60〜64歳同条件7,623円1,143,450円
    勤続年数による日数差前提所定給付日数総額例(31歳・月収30万円想定)
    10年未満一般の離職者90日558,630円
    10年以上
    20年未満
    同条件120日744,840円
    20年以上同条件150日931,050円

    自己都合退職における所定給付日数は雇用保険の被保険者期間(勤続年数)の長さによって決まり、離職時の年齢は影響しません。

    一方で基本手当日額の上限額は受給者の年齢ごとに異なる設定となっており、同じ賃金水準でも年齢によって受給総額に差が生じることになります。

    例えば同じ月収50万円の場合でも、29歳以下では日額上限が7,255円であるのに対し、45〜59歳では8,870円が上限となり、年間で大きな差額が発生します。

    60〜64歳の年齢層では基本手当日額の上限が7,623円に設定されており、中年層と比較して受給総額が小さくなる傾向があることにも注意が必要です。

    表に示した条件設定を参考に、読者の皆さんの実際の月収と勤続年数を数値に置き換えて、より現実的な受給見込み額を算出してみてください。

    最終的な受給額については、受給資格者証に記載されている具体的な金額と失業認定のスケジュールに合わせて詳細な調整を行うことが重要です。

    自己都合退職の失業保険は最短3ヶ月〜最長5ヶ月受給可能

    自己都合退職の所定給付日数は90日、120日、150日のいずれかで決まり、実際の受給期間は最短で約3か月、最長で約5か月の幅です。

    2025年の制度改正では給付制限期間の短縮が主な変更点となっており、所定給付日数の基本的な体系については従来の仕組みがそのまま維持されています。

    この章では2025年改正による旧制度からの変更点、給付日数の決定方法、長期間の雇用保険加入者に対する扱いについて順序立てて解説していきます。

    これまでの制度との違いを整理

    スクロールできます
    項目2025年3月31日まで2025年4月1日以降
    給付制限(自己都合)2か月1か月
    給付制限(反復・懲戒等)3か月3か月
    教育訓練受講時の扱い解除の明確規定なし対象訓練で解除
    所定給付日数(自己都合)90・120・150日同左

    退職日が令和7年4月1日以降である場合は原則1か月、同年3月31日以前である場合は原則2か月です。

    出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00045.html)

    制度改正による主な変更点は給付制限期間の長さであり、自己都合退職の場合は従来の2か月から原則として1か月へと短縮されました。

    加えて教育訓練給付制度の対象講座や公共職業訓練などを受講している場合は、給付制限が完全に解除される新しい特例制度も導入されました。

    一方で過去5年間に自己都合による離職を繰り返している人や懲戒解雇を受けた人については、従来通り3か月間の厳格な給付制限が維持されています。

    重要なのは、雇用保険の被保険者期間に応じた所定給付日数の90・120・150日という基本的な体系については、今回の制度改正による見直しの対象外となっていることです。

    今回の改正は失業保険の初回支給時期の早期化につながる内容となっており、離職後の家計を支えるブリッジ資金の確保に大きく寄与することが期待されます。

    なお制度改正の適用については退職日を基準として判定されるため、2025年3月31日以前に離職した人については改正前のルールが適用されることに注意が必要です。

    年齢・勤続年数などで決まる給付日数の仕組み

    被保険者期間
    (自己都合)
    所定給付日数補足
    10年未満90日一般の離職者の目安
    10年以上20年未満120日同左
    20年以上150日上限

    自己都合退職における所定給付日数は、失業する前の雇用保険被保険者期間の長さに応じて3つの段階に区分されて決定されます。

    離職時の年齢は給付日数の決定には全く影響せず、基本手当日額の上限額を決める要素としてのみ年齢区分が適用される仕組みです。

    失業認定は離職の翌日から起算して1年間の受給期間内で運用され、この期間内に所定の給付日数分の支給を完了する必要があります。

    受給開始時期の遅れや認定期間中の就労状況によっては、所定給付日数を満額受給できずに未支給となってしまうケースもあります。

    失業認定は原則として4週間ごとに実施されるため、求職活動実績の積み上げと失業認定申告書への正確な記載が不可欠です。

    再就職が決まった時点で残りの給付日数は消滅してしまうため、早期就職による再就職手当との比較検討も重要な選択肢の一つです。

    20年以上の加入で最大150日受給できるケース

    一般の離職者の所定給付日数は、10年未満90日、10年以上20年未満120日、20年以上150日です。

    出典:ハローワークインターネットサービス(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html)

    雇用保険に20年以上という長期間にわたって加入していた場合でも、一般の離職者(自己都合退職)における所定給付日数の上限は150日を超えることはありません。

    被保険者期間が10年以上の区分に到達した時点で給付日数は上限に達し、それ以上の長期加入期間があっても追加的な日数延長は行われない仕組みです。

    この点について誤解が生じやすい背景には、倒産や解雇などの会社都合による離職者(特定受給資格者)に適用される手厚い給付制度との混同があります。

    自己都合退職で失業保険の受給総額を最大化するためには、基本手当日額の上限を意識した賃金管理と、失業認定スケジュールの正確な把握が重要なポイントです。

    早期の再就職が現実的に見込める状況であれば、残存する給付日数を基準として再就職手当の選択肢についても具体的に比較検討する価値があるでしょう。

    誤解を避ける注意点(150日の上限は20年以上でも同じ)
    • 一般の離職者は20年以上で上限に到達します。
    • 特定受給資格者の延長と混同しないよう区分を確認します。
    • 総額は日額×日数と認定運用で左右されます。

    自己都合退職後に失業保険を受給する際の副業・アルバイトの注意点

    自己都合退職による失業保険の受給中であっても、適切な条件を守っていれば副業やアルバイトとの両立は可能です。

    ただし待機期間の7日間は失業状態の確認を行う重要な期間であるため、この期間中に働いた日については待機期間に算入されず、支給開始が延期されてしまいます。

    この章では、自己都合退職後に失業保険を受給する際の副業・アルバイトの注意点について詳しく解説します。

    バイトは可能だが待機期間中はNG/週20時間未満が目安

    受給前後で変わる「働ける範囲」と実務の指針
    • 待期7日は働かない。働いた日は待期に含まれず開始が延びる。
    • 受給中は週20時間未満を目安に、継続就労の判定を避ける。
    • 1日4時間以上は就労日扱いで不支給。4時間未満は申告のうえ減額計算。
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    場面判定の目安給付への影響
    待期7日就労・内職をしない働いた日は待期に含まれず延長
    受給中の日別4時間以上=就労
    4時間未満=内職・手伝い
    就労日は不支給
    内職は収入で減額
    受給中の週合計週20時間以上かつ継続見込み「就職」扱いで基本手当は停止

    待機期間は受給者が実際に仕事をしていない失業状態にあることを確認するための期間であり、この間に働いてしまうと失業保険の支給開始が後ろ倒しになってしまいます。

    受給中については週20時間以上の継続的な就労が確認されると「就職」として扱われ、その時点で基本手当の受給は停止されることになります。

    日々の労働時間については4時間を基準として判定が行われ、これを超える日は就労日としてその日分の基本手当は支給対象外です。

    1日4時間未満であっても収入が発生した場合は減額計算の対象となるため、申告漏れは絶対に避けなければなりません。

    短時間労働や単発の仕事であっても必ず失業認定日に申告を行い、勤務記録と受け取った賃金額について正確な記録を保管しておくことが要点です。

    判断に迷うような雇用形態や労働条件については、仕事を開始する前にハローワークの窓口で確認を取り、相談内容の記録を残しておくことをお勧めします。

    週20時間以上働く仕事に就いた場合、それがアルバイト等でも『就職』となります。

    出典:東京労働局・Q&A(https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/kakushu_jouhou/koyouhoken/koyouhoken/QA/kyuusyokusyakyuufu_QA.html)

    認定日の申告漏れは「不正受給」になるリスク

    就労や内職の事実や収入を申告しなかった場合は、不正の典型例に該当します。

    出典:ハローワークインターネットサービス(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_dishonesty.html)

    アルバイト・内職・手伝いなどの労働については、その名称や収入の有無を問わず、失業認定日には必ず正確な申告を行わなければなりません。

    労働事実や収入についての未申告や虚偽申告は不正受給の対象となり、発覚した場合は支給停止と受給済み全額の返還が直ちに命じられます。

    特に悪質と判断されるケースでは、返還すべき金額に加えて最高で2倍の納付命令が科されるため、合計で3倍の金額を支払うことになる可能性があります。

    勤務先や報酬の形態が多様化している現在においても、疑義がある内容については必ず事前相談を行い、相談記録をしっかりと残しておくことが安全です。

    無償のボランティア活動であっても、その活動内容によっては申告対象になる場合があるため、カレンダーへの記入を徹底して行ってください。

    不安な点については関連する証憑を添えて詳しく説明し、後日のハローワークからの呼出しにも対応できるよう関係書類を適切に保管しておきましょう。

    不正な行為で受けた金額は全額返還。さらに最高2倍の納付命令の対象です。

    出典:埼玉労働局(https://jsite.mhlw.go.jp/saitama-roudoukyoku/content/contents/002188178.pdf)

    収入や労働時間の増加で支給額が減るケース

    区分判定代表的な影響
    内職
    手伝い
    1日4時間未満収入に応じて日額が減額
    不支給あり
    就労1日4時間以上その日は不支給
    日数は繰り越し
    就職週20時間以上
    かつ継続見込み
    基本手当は停止
    条件で再就職手当へ

    収入から控除額を差し引き、基本手当日額との合計が賃金日額の80%超は減額。

    出典:厚生労働省プレスリリース(https://www.mhlw.go.jp/content/11607000/001520516.pdf)

    内職や手伝い程度の労働で得た収入については、法定の控除額を差し引いたうえで80%ルールを適用して減額の可否が決定されます。

    令和7年8月1日以降に適用される控除額は1,391円に設定されており、この控除額は毎年8月に見直しが行われる点についても理解しておく必要があります。

    1日4時間以上働いた日については就労日として扱われ、その日分の基本手当は支給対象外となりますが、給付日数は後日に繰り越しです。

    週20時間以上の継続的な就労が確認された場合は「就職」として扱われ、それ以降の基本手当については支給が完全に停止されることになります。

    無償の活動であってもその内容によっては申告対象となる場合があるため、就労と内職の区分について証拠に基づいて説明できるよう準備しておくことが重要です。

    判定に迷うような業務委託契約や請負契約については、業務を開始する前にハローワークの窓口で確認を取り、失業認定日の申告に正確に反映させるよう注意しましょう。

    4時間未満=内職・手伝い、4時間以上=就労・就職として取り扱います。

    出典:東京労働局・Q&A(https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/kakushu_jouhou/koyouhoken/koyouhoken/QA/kyuusyokusyakyuufu_QA.html)
    注意点と補足(判断を誤らないための手順)
    • 認定期間の勤務メモと賃金額を保存し、申告書と整合させる。
    • 短期契約でも週20時間超は「就職」になり得るため、事前確認を徹底。

    自己都合退職後に必要な健康保険・年金・扶養の手続きも忘れずに

    退職後は健康保険と国民年金の切り替え手続き、そして配偶者の扶養に関する判定を同時並行で進めていく必要があります。

    それぞれの制度には申請期限や費用負担の仕組みが異なるため、自分の状況に応じた優先順位を決めて迅速に手続きを進めることが重要です。

    この章では2025年度の最新基準に基づいて、退職後の社会保険手続きに関する実務的な手順と注意すべきポイントをまとめて解説します。

    転職活動と同時進行でやるべき社会保険の切り替え

    健康保険の三択と締切
    • 国民健康保険:会社の資格喪失から14日以内が基本の目安。
    • 任意継続:退職翌日から20日以内に申出、加入は最長2年。
    • 家族の扶養:収入見込みと失業給付の扱いを会社経由で確認。

    退職後の医療保険については、国民健康保険への加入・前職の健康保険の任意継続・配偶者の健康保険の被扶養者という3つの選択肢から選ぶことになります。

    国民健康保険は居住地の市区町村で手続きを行う必要があり、会社の健康保険資格喪失から14日以内の加入手続きが基本的なルールです。

    任意継続については退職翌日から20日以内という厳格な申出期限があり、加入期間は最長で2年間に限定されています。

    任意継続の保険料は会社負担分もすべて自己負担となるため、国民健康保険料との金額比較をしっかりと行ったうえで選択を決めることが大切です。

    配偶者の被扶養者として加入する場合は年収130万円未満などの収入基準を満たすかどうかを、配偶者の勤務先を経由して事前に確認しておく必要があります。

    医療保険の空白期間を発生させないためには、退職予定日から逆算した綿密なスケジュール管理が最も重要なポイントです。

    任意継続被保険者の保険料は、全額自己負担となります。

    出典:全国健康保険協会(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3270/)

    国民健康保険の保険料減免制度を有効活用

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    制度主な対象軽減内容備考
    非自発的失業軽減特定受給資格者・特定理由離職者前年給与所得を30/100として算定離職理由コードで判定
    低所得軽減世帯の所得が基準以下均等割・平等割が7割/5割/2割所得申告が前提
    所得減免(申請)収入急減など所得割の減免(自治体基準)期限や必要書類に注意
    自己都合の雇用減免自治体の独自制度受給資格者に減額の例あり地域差が大きい

    自己都合による退職については、雇用保険制度上の分類では非自発的失業には該当しないため、原則として軽減措置の対象外となります。

    そのため前年の給与所得を30分の100として計算する特例措置については、自己都合退職では適用を受けることができません。

    一方で世帯所得に基づく低所得軽減や申請による所得減免については別の制度枠組みとなっているため、要件を満たしていれば適用を受けることは可能です。

    一部の自治体では独自の制度として、自己都合退職であっても雇用保険受給中の人に対して保険料減免を実施している例があるため、居住地での確認が必要です。

    多くの減免制度は申請主義となっているため、申請期限や必要書類に不備があると適用開始が遅れてしまう可能性があります。

    非自発的失業に該当するかどうかの判定は雇用保険受給資格者証に記載された離職理由コードによって行われるため、受給資格者証の記載内容を必ず確認してください。

    自己都合退職の場合でも、雇用保険を受給されている方は減額が可能な場合があります。

    出典:八幡市(https://www.city.yawata.kyoto.jp/0000008295.html)

    年金免除や扶養の取り扱いも要チェック

    失業等の特例により、前年所得にかかわらず免除・納付猶予を受けられる場合があります。

    出典:日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html)

    配偶者の健康保険に被扶養者として加入できれば、国民年金は第3号被保険者として扱われ、保険料の個人負担は発生しません。

    失業保険の基本手当支給が開始され、1日当たりの支給額が基準額以上となった場合は、受給期間中は被扶養者の要件を満たさないため扶養から外れる運用となっています。

    雇用保険の基本手当を受給する場合、日額3,611円以下なら扶養認定の要件を満たします。3,612円以上は扶養削除が必要です。

    出典:日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20141202.html)

    扶養認定の基準となる基本手当日額は年度ごとに見直されているため、詳細はその都度、各健康保険組合や協会けんぽの基準を確認してください。

    被扶養者の要件を満たさない期間については国民年金の第1号被保険者への種別変更手続きを行い、必要に応じて保険料免除や納付猶予制度の活用を検討することになります。

    失業を理由とする特例免除制度では前年所得をゼロとして審査が行われるため、通常の所得基準では免除対象外となる人でも家計負担の軽減効果が期待できます。

    特例免除の対象期間は離職した月の前月から翌々年の6月までが一般的な目安となっており、年度ごとの申請手続きが必要です。

    失業保険の受給終了後に再び被扶養者の要件を満たすようになった場合は、第3号被保険者への種別変更届の提出を忘れずに行い、年金記録の不整合を未然に防ぐことが重要です。

    注意点と補足(証拠書類と窓口の整合を揃える)
    • 雇用保険受給資格者証や離職票の写しを保管し、年金・国保の申請に添付。
    • 被扶養者の可否は健保組合ごとの基準もあるため、事前に会社経由で確認。

    自己都合退職の失業保険とあわせて使いたい再就職支援制度

    自己都合による失業保険の受給と並行して、早期就職を後押しする各種支援制度を効果的に使い分けることが重要です。

    この章ではハローワークでの職業紹介やセミナー受講、オンラインサービスの活用方法まで含めて、再就職支援に関する実務上のポイントを体系的に解説します。

    再就職手当をもらえる条件と支給金額の目安

    スクロールできます
    項目主な要件・注意金額の目安
    支給率残日数が2/3以上=70%、1/3以上=60%基本手当日額×残日数×支給率
    紹介要件待期満了後1か月以内の就職はハローワーク等の紹介が必要1か月経過後は経路不問
    雇用条件雇用保険に加入し、1年以上の雇用見込み同一・関連会社への復帰は原則対象外
    申請期限就職日の翌日から1か月以内に申請期限超過は不支給
    関連手当賃金低下時は就業促進定着手当の上限20%に見直し上限=日額×残日数×20%

    待期満了後1か月は、ハローワーク等の紹介で就職した場合が対象です。

    出典:ハローワーク「再就職手当のご案内」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/saishuushokuteate.pdf)

    再就職手当は早期に安定した就職を決めた人に対して、基本手当の残日数に応じた一時金を支給する制度です。

    支給を受けるためには就職日の前日までに失業認定を受けており、所定の支給残日数を満たしていることが前提条件となります。

    就職先では雇用保険に加入する必要があり、1年以上の雇用継続が見込まれる安定した就職であることが支給要件です。

    待機期間満了後1か月以内の就職については紹介経路がハローワーク等に限定されるため、転職活動開始前に必ず確認しておく必要があります。

    支給金額は「基本手当日額×支給残日数×60%または70%」の計算式で決まり、より早期の就職ほど支給率が高くなる仕組みです。

    再就職後の賃金が前職より下がる場合は就業促進定着手当の活用も検討できるため、申請期限の管理を徹底して取りこぼしを防ぎましょう。

    職業訓練や資格取得で収入アップを狙う

    スクロールできます
    制度内容上限・補足
    一般教育訓練給付受講費の20%を支給上限10万円
    修了後支給
    特定一般教育訓練受講費の40%
    資格取得等かつ就職で50%へ差額加算
    上限20万円(差額は上限25万円)
    ※令和6年10月以降の講座
    専門実践教育訓練受講費の50%
    資格取得等かつ就職で+20%
    年40万円上限×最長3年
    賃金5%以上上昇で+10%
    教育訓練支援給付金専門実践の昼間通学中
    基本手当日額の60%を支給
    令和7年3月31日以前開始は80%
    求職者支援制度月10万円の生活支援+無料訓練要件あり
    ハローワーク伴走

    教育訓練支援給付金は基本手当日額の60%。令和7年3月31日以前開始は80%です。

    出典:厚生労働省「専門実践教育訓練 給付案内」(https://www.mhlw.go.jp/content/001529622.pdf)

    スキルアップのための学び直しは失業保険の受給と並行して実施できるため、資格取得や将来的な賃金上昇につながる有効な選択肢です。

    教育訓練給付制度は一般・特定一般・専門実践の3つのカテゴリに分かれており、それぞれ支給割合や上限額が大きく異なります。

    専門実践教育訓練では受講修了と資格取得、その後の就職によって追加支給が受けられるほか、賃金上昇時には更なる加算給付も用意されています。

    失業中の生活支援については教育訓練支援給付金を活用することで経済的な負担を軽減し、訓練受講の継続性を高めることが可能です。

    制度改正により訓練開始時期によって支給率が変わる場合があるため、受講予定の講座の開講日と適用条件を必ず事前に確認してください。

    支給要件の照会や必要な証明書類の準備を早めに行い、申請期限を逃すことのないよう計画的な手続き管理が効果的です。

    ハローワークで受けられる再就職支援の活用法

    窓口とオンラインを併用して支援を最大化する具体策
    • 求職者マイページを開設し、オンラインの職業紹介を受ける。
    • 就職支援セミナーで応募書類・面接対策を学び、実績を確保する。
    • ジョブ・カードで強みを可視化し、相談で職務経歴書に反映する。
    • トライアル雇用求人の紹介を受け、適性確認と内定機会を広げる。
    • ハロートレーニングで必要スキルを補い、応募先の幅を広げる。

    求職者マイページ開設と職業相談で、オンラインによる職業紹介が受けられます。

    出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27701.html)

    ハローワークでの就職支援は従来の窓口相談だけでなく、オンライン職業紹介やセミナー受講を通じて機動的に受けることができるようになっています。

    自己分析についてはジョブ・カードを活用して標準化されたフォーマットで整理し、応募書類の作成や面接対策に効果的に活用することが可能です。

    職業訓練やトライアル雇用制度を併用することで、これまで経験のない職種や業界であっても内定獲得の可能性を高めることができます。

    失業認定日には求職活動実績の提出が必須となるため、セミナー受講や企業への応募に関する記録を丁寧に整理して保管しておくことが重要です。

    再就職手当などの支給要件では職業紹介の経路や各種証明書が直結するため、関係書類の整備と証跡管理を徹底して行う必要があります。

    各制度の最新要件については所管省庁のウェブサイトで確認し、判断に迷う内容については必要に応じてハローワーク窓口で最終確認を取ることをお勧めします。

    まとめ

    自己都合退職であっても、正しい知識と適切な手続きを行えば失業保険を有効に活用することができます。

    2025年4月からの制度改正により給付制限期間が原則1か月に短縮され、さらに教育訓練を受講することで給付制限を完全に解除できる新しい特例も導入されました。

    受給のためには雇用保険の被保険者期間12か月以上、継続的な求職活動、正確な失業認定申告が必須条件となります。

    自己都合退職の失業保険まとめ
    • 退職日で改正の適用が分かれる(2025年4月1日以降は原則1か月)。
    • 教育訓練の受講で給付制限は解除可能。
    • 自己都合は「2年で通算12か月」の加入が受給の目安。
    • 受給期間は離職翌日から1年、遅い申請は未消化の原因。
    • 待機7日+4週ごとの認定、実績は各期原則2回。
    • 所定給付日数は90・120・150日。
    • 受給額=基本手当日額×給付日数(非課税・上限あり)。
    • 副業は待期中NG、受給中は週20時間未満・1日4時間基準。
    • 社会保険は国保・任意継続・扶養を早めに選択。
    • 早期就職は再就職手当60%または70%、申請期限に注意。
    目次